キャラクターができること
このたびの熊本県で発生した地震により、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
突然の日常の変化に、不安な日々を過ごされている方も多くいらっしゃることと思います。
一日も早く、穏やかな日常が戻りますことを心より願っています。
そんな中、先日ニュースを見ていて、あるキャラクターの姿が目に留まりました。
熊本県のPRキャラクター、くまモンです。
7月28日に発生した地震を受け、くまモン隊は活動を一時休止していましたが、8月16日から活動を再開。
避難所などを訪れ、被災された方々と触れ合い、子どもたちと握手をしたり、笑顔を届けたりしていました。
くまモンが姿を見せると、避難所では喜びの声が上がったそうです。
「くまモンは県民にとって日常の一部」
そんな言葉も紹介されていました。
そのニュースを見て、改めて思ったことがあります。
キャラクターって、すごいな。
キャラクターは、もちろん人を楽しませることができます。
かわいい姿を見て笑顔になったり、グッズを持っているだけで嬉しくなったり、イベントに登場すればその場を盛り上げたり。
地域の魅力を伝えたり、企業や学校のことを知ってもらうきっかけにもなります。
でも、それだけじゃない。
今回のくまモンの姿を見て、キャラクターにはもっと大きな力があるのだと感じました。
不安なときに、少しだけ気持ちを和らげる。
悲しいときに、ほんの少し笑顔にする。
「もう少し頑張ってみよう」と思えるきっかけをつくる。
そして、
「自分たちは一人じゃない」
そんな気持ちを与えてくれることもあるのではないでしょうか。
もちろん、キャラクターだけで災害から人を救うことはできません。
実際に現場で救助にあたる人、支援物資を届ける人、復旧に尽力する人。
たくさんの人たちの力があって、少しずつ日常が取り戻されていきます。
その中でキャラクターができることは、ほんの小さなことなのかもしれません。
それでも、その「小さなこと」が誰かの心に届くことがあります。
くまモン自身も、活動再開にあたって「被災したみなさんに元気ば届けるために」と発信し、実際に触れ合った人たちからたくさんの笑顔やパワーをもらったと伝えています。
そして、これは今回の地震に限ったことではないと思います。
嬉しいとき。
悲しいとき。
何かに挑戦するとき。
地域のお祭りで。
学校で。
観光地で。
毎日の何気ない暮らしの中で。
いつもそこにいて、見る人の気持ちを少し明るくしてくれる。
それがキャラクターの持つ力なのかもしれません。
熊本県では、過去の熊本地震からの創造的復興や地域の人たちを応援する取り組みにも、くまモンが関わってきました。
長い時間をかけて地域の人たちと関わり続けることで、いつしかキャラクターは単なる「イラスト」ではなくなっていく。
地域の思い出になり、
地域の象徴になり、
そして、地域の人たちにとっての「大切な存在」になっていく。
今回のくまモンを見て、改めてそんなことを感じました。
僕もキャラクターデザイナーとして、いつかそんなキャラクターを生み出したい。
ただ「かわいい」と思ってもらえるキャラクターではなく、
誰かを笑顔にできる。
誰かを元気にできる。
誰かの心を癒すことができる。
そして、何年、何十年と愛され続ける。
そんなキャラクターを作りたい。
もちろん、くまモンのような存在になることは簡単なことではありません。
たくさんの人に知ってもらい、たくさんの人に愛され、長い時間をかけて育っていくものだからです。
それでも、最初の一歩は、きっと一枚のキャラクターデザインから始まります。
その一枚に想いを込めること。
そのキャラクターが、これからどんな場所で、どんな人たちと出会っていくのかを考えること。
そして、長く愛される存在になってほしいと願いながら、ひとつひとつキャラクターを生み出していくこと。
僕はこれからも、そんな仕事を続けていきたいと思います。
いつか、自分が生み出したキャラクターを見て、
「この子を見ると元気が出る」
「このキャラクターがいてくれてよかった」
そう言ってもらえる日が来たら。
それは、キャラクターデザイナーとして何より嬉しいことだと思います。
キャラクターには、人の心を動かす力がある。
今回のくまモンの姿を見て、改めてそう感じました。
僕もいつか、そんな「チカラ」を持ったキャラクターを生み出せるように。
これからも、一つひとつのキャラクターに想いを込めて、作り続けていきたいと思います。

