『君の好きは無敵』第9話|好きって難しい

※ドラマ『君の好きは無敵』第9話のネタバレを含みます。

いよいよ物語も終盤へ…

第9話は、これまでのようなキャラクター制作やデザインについて深く掘り下げる回というよりも、「好き」という気持ちそのものについて描かれた回だったように感じました。

そして、タイトルでもある『君の好きは無敵』という言葉を、改めて考えさせられる回でもありました。

すべては大三島の策略だった

公開コンペの会場で怒りを爆発させそうになる瀬尾。

怒りに任せるような人間にシニカルモルコは任せられない。

そう追い詰められますが、その後、大三島が玲奈に渡していたメモの存在が明らかになります。

瀬尾を怒らせ、問題を起こさせる。

すべては大三島によって仕組まれたことでした。

これまで多くの人を自分の思い通りに動かしてきた大三島でしたが、ついにその策略が公の場で明るみに出ます。

責められ、その場から逃げ出す大三島。

ここまでの行いを考えると、まさに因果応報とも言える展開でした。

チュエラを守るため、草壁さんが身を引く

しかし、大三島の策略だったことが明らかになっても、チュエラを取り巻く状況は簡単には元に戻りません。

劇的な名誉回復案がなければ、経済産業省のアンバサダーの話も白紙になってしまう。

そこで草壁さんが出した答えは、デザイン瀬尾との契約解除でした。

自分が炎上の要素をすべて引き受け、チュエラを守る。

瀬尾は当然それを認めません。

それでも草壁さんの意思は固く、みんなとの記念撮影を終え、その場を去ることになります。

最初はキャラクター事業について何も知らなかった草壁さん。

そんな草壁さんが、今では誰よりもチュエラのことを考え、守ろうとしている。

その変化には少し胸が熱くなりました。

「おこんがいなければ意味がない」

草壁さんが去ったあと、瀬尾は経済産業省へ向かいます。

そして、チュエラのアンバサダー就任を辞退すると伝えます。

チュエラは瀬尾ひとりが作ったものではない。

草壁さんと一緒に考え、育て、ここまで作り上げてきた。

だから、

「おこんがいなければ意味がない」

この言葉は本当にかっこよかった。

大きなチャンスを手放してでも、草壁さんとの関係を選ぶ。

瀬尾にとって、デザイン瀬尾もチュエラも、もうひとりでは成り立たないものになっていたのだと思います。

……そして、その流れでまたプロポーズする瀬尾くん(笑)

そこはもう少し待ってあげてほしいところですが。

今度は廣瀬さんと佐々岡さんまで

草壁さんがデザイン瀬尾に戻り、これで一安心かと思ったのも束の間。

今度はチュエラの損益問題が浮上します。

会社の負担を減らすため、廣瀬さんと佐々岡さんがデザイン瀬尾を辞めると言い出します。

「50年後もチュエラが誰かの好きになれるようにお願いします」

そう言葉を残し、デザイン瀬尾を去る二人。

ここまで一緒に頑張ってきた仲間が、また離れていく。

草壁さんは自分の判断が間違っていたのではないかと悩みます。

しかし、そこで再び立ち上がることになります。

二人を呼び戻すためにも。

そしてデザイン瀬尾を立て直すためにも。

まさかの出資者、大三島

出資者を探し始めた草壁さん。

そして見つけた出資者は、まさかの大三島でした。

炎上しているチュエラと、炎上真っ只中の大三島。

互いに歩み寄り、それぞれの炎上を乗り越えようとする、まさかのタッグです。

正直、この展開は予想していませんでした(笑)

しかし、ここから大三島という人物について、少し違った一面が描かれます。

大三島にも「好き」があった

大三島は「好きクレイジー」が嫌い。

しかし、好きがないわけではありませんでした。

むしろ、大きな「好き」を持つ人たちについていけず、自分自身の「好き」を失ってしまったようにも見えました。

好きレベル100の人間たち。

瀬尾のように、自分の好きを全力で貫く人たち。

大三島は、そんな人たちを見ているうちに、自分の好きを口にすることが難しくなってしまったのかもしれません。

そこで草壁さんが言った言葉が印象的でした。

大きな好きも、小さな好きも、どちらも大切。

好きの大きさに優劣はない。

ものすごく大きな「好き」もあれば、少しだけ好きなものもある。

でも、どちらもその人にとって大切な気持ちです。

今回の第9話は、この言葉が大きなテーマだったように思います。

「好きが言えないことは辛い」

大三島を追いかける瀬尾。

そこで瀬尾は大三島にこう伝えます。

好きが小さすぎて言えないこと。

好きが大きすぎて言えないこと。

好きが言えないことは辛い。

そして最後には、

「大三島、好き!」

……レベル1くらいだけど(笑)

なんとも瀬尾くんらしい説得でしたが、その言葉が大三島の心を少し動かしました。

そしてまさかの大三島がデザイン瀬尾の出資者に。

さらに、廣瀬さんと佐々岡さんも戻ってくることになります。

ここから再びデザイン瀬尾が新しいスタートを切るのかと思いました。

しかし、最後に待っていたのは……

みんなが戻り、デザイン瀬尾は再スタート。

大三島まで仲間になるという予想外の展開。

これからどうなるのか楽しみになってきたところで…草壁さんがそっと辞めようとしていました。

そして引き留めようとする瀬尾に、

「仕事仲間としか見てなかったのに、好きだとか結婚だとか言われるのが本当に嫌だった」

と言い放ち、その場を去っていきます。

……これはつらい。

瀬尾くんにとっては純粋な「好き」だった。

でも草壁さんにとって、その「好き」は必ずしも嬉しいものではなかった。

仕事のパートナーとして築いてきた大切な関係。

それが恋愛感情によって変わってしまうことへの戸惑いや嫌悪感。

瀬尾くんの気持ちもわかる。

草壁さんの気持ちもわかる。

だからこそ、余計につらい展開でした。

「好き」は素晴らしい。でも、好きは難しい

今回の第9話は、これまでのようにキャラクターやデザインについて考える回とは少し違っていました。

しかし、『君の好きは無敵』というタイトルについて、改めて考えさせられる回だったように思います。

好きが大きすぎる瀬尾。

好きがわからなくなってしまった大三島。

平凡な「好き」にも救われた草壁さん。

そして、「好き」と言われることが苦しくなってしまった草壁さん。

同じ「好き」という言葉でも、その形は人によってまったく違う。

好きには大小があっても、優劣はない。

大きな好きも、小さな好きも、どちらも大切。

そして時には、「好き」という気持ちを伝えることが誰かを困らせてしまうこともある。

今回の第9話は、

「好きは無敵」だけではなく、「好きって難しい」

ということを描いた回だったのかもしれません。


いよいよ次週、最終回。

大三島までデザイン瀬尾の仲間になり、新たなスタートを切ろうとしていた矢先に、草壁さんとの別れ。

チュエラはどうなるのか。

デザイン瀬尾はどうなるのか。

そして瀬尾くんと草壁さんの関係はどうなるのか。

いよいよ『君の好きは無敵』最終回です。

終わってしまうのは寂しいですが、最後までしっかり見届けたいと思います。


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